ダリットについての勉強会

7月25日(水)事務所に、反差別草の根交流の会「サマンタ」の山本愛さんをお招きし、ダリットについての勉強会を実施しました。

ダリットとは、インドやネパールのカースト制度の最下層で、被差別カースト、不可触民とも呼ばれ、「不浄」な存在として扱われる人々の集団のことを言います。1990年代にインドで始まったカースト差別を撤廃しようとする不可触民解放運動から生まれた言葉で、言語的には「抑圧されたもの」「壊されたもの」という意があります。2018年度PHDネパール研修生のサビナさんもダリットの生まれで、日本での研修を通して農業に加え、ダリットの女性の人権向上について勉強したいと語っています。

本日の勉強会では山本さんからネパール建国の歴史や社会の特徴からカースト制度やダリット差別の現状などについて教えて頂きました。地理、民族、宗教的多様性を抱え、インドや中国など大国に挟まれ影響を受けてきたネパールの中でカーストとはどのような存在なのか、社会や人々の生活にどのような影響を与えるのか少しずつ理解をすることが出来ました。ダリットの人々の生活についてのお話では実際の写真を交えながらお話頂きました。山本さんのお話によると、清掃作業や鍛治、皮革、漁業などカーストで定められた伝統的労働に従事する人が約2割、農業労働や肉体労働などの日雇で生計を立てる人が残りの約8割を占めるようで、上位カーストの人々と比べると土地や財産の所有は制限され貧困の問題があります。また、不可触制の「穢れ」の意識から、飲食店や寺院などの公共の場への立ち入りが禁止されたり、井戸も上位カーストと同じものを使ってはいけない、同じカーストでなければ結婚が認められにくいなどの制限が多く存在します。また、女性はヒンディー教の家長父制の影響もあり、貧困や社会進出、暴力や性的搾取、健康問題などの課題も抱えています。このような差別から逃れようとキリスト教に改宗する人いますが、内面的な変化に限られ、社会の中ではカーストによる差別が根強いということでした。また、都市部よりも研修生たちが暮らしているような農村部の方がカーストによる差別の意識は強いというお話でした。

その後、神戸新聞の方からサビナさんへのインタビューがありました。幼少期から振り返ってダリットだから、女性だからという理由で受けた差別のことや、その時の気持ちなどを詳しく語っていました。日本で農業や人権について学ぶことで村の人々の生活の向上やサビナさんの所属する女性グループで語ることで人権についての理解を広めていきたいということを語っており、とても力強く感じました。サビナさんは研修の後半に、日本の部落差別や女性の人権についての研修も行う予定です。

国内研修生広報啓発担当 清水悠加

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